【昭和17年】文・学

5月
「日本文学報国会」結成。情報局、大政翼賛会の指導のもとに結成され、国家の要請に伴い、国策の周知徹底、宣伝普及に挺身し、その施行実践に協力することを目的とした。文学報国会定款には「本会ハ全日本文学者ノ総力ヲ集結シテ、皇国ノ伝統ト理想トヲ顕現スル日本文学ヲ確立シ、皇道文化ノ宣揚に翼賛スルヲ以テ目的トス」とある。会長は徳富蘇峰、常任理事は初代久米正雄、のち中村武羅夫で、小説・劇文学・評論随筆・詩・短歌・俳句・国文学・外国文学の8部会を設け、会員は約4,000人。旧左翼文学者中野重治、宮本百合子、蔵原惟人らも含め、ほとんどすべての文学者がこれに加入した。例外は外地にいた武田麟太郎、入会を拒んだ内田百聞、中里介山らごくわずかにすぎなかった。

9月
小林秀雄、河上徹太郎、亀井勝一郎、三好達治、中村光夫、林房雄、西谷啓治、吉満義彦、下村寅太郎、鈴木成高、菊池正士、諸井三郎による討論会「近代の超克」が「文学界」10月号に特集される。

*中村敦「山月記」(文学界)/小林秀雄「無常といふ事」(同)/芹沢光治良「巴里に死す」(婦人公論)/坂口安吾「真珠」(文芸)

*『壺井繁治詩集』/中野重治『斎藤茂吉ノオト』/大正文学研究会(平野謙、吉田精一、高見順ら)編『芥川龍之介研究』/ケインズ『雇傭・利子および貨幣の一般理論』(塩野谷九十九訳)/ヒトラー・真鍋良一訳『我が闘争』上下/高坂正顕『民族の哲学』

*ベストセラー
岩田豊雄『海軍』/富田常雄『姿三四郎』/丹羽文雄『海戦』/児玉誉士夫『獄中獄外』

*「週刊小国民」「週刊婦人朝日」創刊。

*「本居宣長全集」刊行開始。

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