アルス大興文社・文芸春秋者の広告合戦

「日本児童文庫」発行所たる小石川区表町一〇九アルス社主北原鐵雄氏は山崎今朝彌、松谷興次郎両弁護士を代理人として「小学生全集」発行所たる日本橋区馬喰町二ノ一興文社専務取締役石川寅吉、「文芸春秋」代表者菊池寛の両氏を相手取り、信用毀損業務妨害の告訴を20日午前11時東京地方裁判所検事局へ提起した。告訴状の内容によると最初アルスが、「日本児童文庫」を発行するに際しその広告を博報堂に依頼した所たまたま同所で興文者側がこれをきき、何気なくその予定計算書一切を了知した上、石川氏が同社顧問たる菊池寛氏に謀り、「小学生全集」の計画を突如発表して、先づ計画者たる告訴人をだし抜き更に、23万円の予算募集広告を全国の新聞雑誌に掲載するに際し巧みな舞文で盛んに虚偽の風説を流布し、アルス側の信用と日本児童文庫の価値とを毀損ひばうし、甚しきは三尽き文部大臣の小学生文集推薦文書を偽造してこれを新聞に公告し、映画集会等に流布し日本児童文庫が劣位なることを公表したことは刑法第二百三十三条信用毀損、営業妨害の罪にがい当すべきものといふのが告訴人側の言分である。
(東京朝日)

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