国会乱闘

衆議院本会議は午後1時20分開会大正14年度決算4件を一括議題に供し、決算委員長磯部尚氏(政)の委員会における経過並に結果の報告ありたる後、両氏の質問ありて討論に入る、即ち、

清瀬氏登壇して、

陸軍当局は予の質問に対し軍事機密費を以て米を買つたと威猛高になつて弁明されたが、帝国議会は機密費を以て米を買ひ利を図つたことに対し了承を与ふる事は出来ぬ、又機密を以て朝鮮の万歳騒動を鎮静したと称するのも不当である。

とて弾刻交りの質問を続け、政友会の痛い所をちよくちよく刺すので政友派躍起となり、憲本両派頼りに拍手を送る。清瀬氏更に山梨半造大将の態度を論難し来れば政友派の昴奮いよいよ甚だしく、清瀬氏をさして、『売国奴』と叫ぶものあり、板野友造氏(政)たまたま田崎氏に紙つぶてを投げつくるや田崎氏憤然として板野氏の議席に突貫し、海原清平氏(政)先づ議席に飛び上れば議場総立ちとなり、政友会の原、高橋、青木、本田其他の面々田崎氏を包囲して、守衛の制止を肯かず、殴打の限りを尽し、議長を連呼する者、罵声を放つ者相交錯し、乱闘乱撃、議場は突如として時ならぬ大混乱に陥つた。
(国民新聞)

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