小作争議激発

南秩払戸村の豪農海道家の小作争議は、調停裁判開始以来の難事件と称され、去15日小作人はたうたう官の調停には見きはめをつけて取下げした。これより先き地主の態度を憤慨し二人の小作人に同情した同村及び近村の農民は「あはれなる同胞のために」と叫び、団結の勢をもつて小作人の権利を戦ひとるべく男鹿農民組合を組織し労働農民党その他無産団体の応援を求め運動を開始したが、昨19日には最後の勝利を期して海道家に交渉し同時に立入禁止反対の名を掲げて一大示威運動を開始した。この示威運動に参加せる農民はその数2,000に近く、かねてこの企てを知つたる警察当局は、高階刑事課長総指揮の下に約100名の武装せる警官隊を出して警戒につとめたが、農民の波!農民の洪水!船越町から、払戸、長根の村々に亘つて、さながら戦場の如き有様を呈した。
(秋田魁)

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小作争議とは、小作料の減免を要求する小作人と地主の争いで年々増加した。大正15年に2,751件。参加小作人15万1,061人。昭和2年が2,053件。9万1,333人。この年の小作人組合員数は太平洋戦争前の再興に達し33万5,000人を超えた。昭和2年2月から3月にかけて左翼が主導権をにぎっていた日農(大正11年結成)は、左翼に同調しないものを除名した。そこで日農は労働農民党を支持する日本農民組合と、日本労農党を支持する全日本農民組合と社会民衆党を支持する日本農民総同盟の3つに分立した。

6月24日
去る14日、鳥取県箕蚊屋地方の小作争議で、1,000人が警官隊と衝突する騒擾事件が起き、この日までに26人が検挙、300人近くが検挙される模様。

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