岩波書店で待遇改善スト

岩波書店で12日午前9時堂書店内編輯、出版、構成、小売、おろし等各部の従業員に少年店員40名を合して80名が突然店主岩波茂雄氏の自宅を訪ふて待遇改善その他封権的雇用の改善12項をあげて歎願書をだし、一蹴されるや、直にこれを「要求」に変へて怠業状態にいたつたもので13日はつひに開店不能に陥り午前10時の会見も要領を得ず、店主側は岩波氏邸で善後策を講じ従業員はさながら書店乗つ取りの形で店内の事務所に集合し気勢を上げてゐる。
一方巌松堂は全部小僧さんばかりの罷業、しかも数日前店員の一人が小僧の一人をなぐりつけた事から少女店員6名を加へた42名が13日早朝からピタリと姿を消し一同裏手の寄宿舎に集まつて協議をこらし午後2時波多野社長の許に左の様な要求をだした。

△小店員を無実の罪でなぐつた中道、今泉を解職する事
△われわれを「どん」つけに呼ばない事
△寄宿舎の改善、玄米飯を食はせざる事、一畳に一人ではなく二畳にする事
△8時間制による事
△休日を月三回にする事
△積立金制度廃止、小店員の初給12円(従来の積立金を含む)とし事務員は食事ヌキ60円以上
△この件で犠牲者をださゞる事。

右の42名は陳列、古書仕入、出版、外交、通信販売、製本の各部の者で下働きを失つた店は混雑を極めてゐる。
(東京朝日)

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