標準漢字・字音仮名遣い

7月17日
去る6月17日に標準漢字原案(常用漢字1,134、準常用1,320、特別漢字74字)を発表した国語審議会は、字音仮名遣整理案、漢字左書案(横書きの場合左書きにする)を満場一致可決、文相への答申を経て閣議にかけ正式決定とともに公布し各官庁、全国学校および社会一般で使用励行して行くことになった。標準漢字の制定についでまさにわが国語史の画期的な一頁である。もちろn何月何日からこれを実施せよと公布されるわけでもなく、これは「公式な基準」にすぎない。
新字音仮名遣は一口にいえば発音通りに書く。例えば、「ゐ、ゑ、を、くわ、ぐわ、ぢ、づ」などは「い、え、お、か、が、じ、ず」に統一し調音は全部「う」をつけて書く、この際「ぢ、づ」を「じ、ず」とし「づ」を「ず」とすることに押し通すには多少の無理が生じるので、連声によって濁る場合―たとえば入智恵の「ぢ」は「智」の原音を尊重して「じ」にしないこと、濁音によって濁る「地震」なども「ぢ」を尊重して「じ」としない。
字音仮名遣は従来に比してずっとやさしくなったが正確な発音さえ知っていれば大体間違いない使い方ができる。たとえば「後悔(くわい)」が「後悔(かい)」に「友(いう)人」が「友(ゆう)人」に、「八紘(くわう)」が「八紘(こう)」に、「象(ざう)」が「象(ぞう)」に「葡萄(だう)」が「葡萄(どう)」に、「法(はう)」あるいは「法(はふ)」とつけたのが「法(ほう)」に、「給(きふ)金」が「給(きゅう)金」に、「職業(げふ)」が「職業(ぎょう)」になる。

7月18日
頭山満、小泉定助、千家尊宣ら16人は、国語審議会の標準漢字原案に対し、審議会委員に国語学者・文学者少なく、近衛文麿会長の国語協会役員が挙げて医院となっており、「畏き辺りの御事に関する当別漢字を74字に限った」ことや準常用中に勅語、詔書に奉掲されている文字が多く、戦時下わが国の歴史蔑視の風潮を招来する企てであるとして、答申案不採用を要望する建白書を橋田文相に智出。審議会による漢字制度は「日本語の大東亜共栄圏進出」を考慮して答申されたもの。

8月1日
閣議で、「南方諸地域日本語教育並普及ニ関スル件」決定。

12月
文部省、標準漢字2,669、簡易字体80に修正し発表。

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