漱石の『猫』訴えらる

日本橋区南茅場町22大久保五郎氏は豊原弁護士を代理人として牛込区早稲田南町7夏目漱石氏の息子純一、及び神田区南神保町書展岩波茂雄両氏を相手取り10日東京地方裁判所に損害金3万円支払請求の訴訟を提起した。
その理由は、大倉氏は明治38年10月夏目漱石氏の著作に係る『吾輩は猫である』の著作権共有並に発行権専属の契約を結び同月上巻を発行し続いて中下巻を発行したが、その後同氏の著に係る『行人』『文字論』等も同様の契約の下に発行していた処、最近に至り純一氏並に岩波書店は大倉氏に何の交渉もなく、所謂円本と称する『漱石全集』数10万部を発行し巨利を博し、原告(大倉)に大損害を与へたので本訴に及んだ。
(時事新報)

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