西郷さんの金時計をスった男

大西郷の金時計を掏つたのを半生の誇として、牢獄を住家にしてゐる老賊の公判が、9日東京区裁判所刑事部尾後貫判事、渡辺検事係で三号法廷に開かれた。被告は住居不定菊池金太郎(84)で、40歳までは若衆金太で鳴らした掏摸の大親分で其後空巣狙ひ専門で七犯を重ね、昨年6月懲役8年の刑を了へ巣鴨刑務所を出たばかりだが、外に仕事がないので8月12日府下巣鴨町2の3河野方の不在に女の晴着8着180円を盗んだのを初め、忽ち18ヶ所を荒して本年2月に上野署の手に逮捕されたものである。
(時事新報)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です