名妓剃髪

10月
嬌名をはせた名妓「照葉」は小田末造氏の夫人となり紅灯の巷を去ったが、その後小田氏とも別れ、旧姓の「高岡たつ」に戻り文筆業や大阪南地のカフェーを営んだがいずれも失敗。このたびは煩悩をたち切って剃髪、「知照」という法名で女の盛り40歳で超俗の生活に入った。

カタロニア共和国

10月4日
スペインにレルース右翼内閣成立。

10月5日
労働総同盟(UGT)が全国にゼネスト指令。スペイン北西部のアストゥリアスの高山地帯で労働者が武装蜂起。

10月6日
北東部カタロニア地方バルセロナで「スペイン連邦内のカタロニア共和国」を宣言。

10月7日
砲兵隊と海軍を大量に動員し、政府軍がカタロニアの反乱を鎮圧。

10月8日~18日
アストゥリアスの武力闘争(十月闘争)が軍部により鎮圧。

陸軍のパンフレットの全体主義

10月1日
「非常時局を克服する国防国策の確立」を提唱していた陸軍が、「国防の本義とその強化の提唱」と題するパンフレットを頒布。この略して陸パン(陸軍パンフレット)の概要は、「現在の如き機構を以て窮乏せる大衆を救済し、国民生活の向上を庶幾しつゝ非常時局打開に必要なる各般の緊急施設を為し、皇国の前途を保証することは至難事に属するであらう」。「戦いは創造の父、文化の母である」という文で始まり、「国防は国家生成発展の基本的活力の作用なり」とし、「必勝の信念と国家主義精神」を国民に養うため「国民背活の安定を図るを要する」と主張し、そのため「国民の一部のみが経済上の利益特に不労所得を享有し、国民の大部が塗炭の苦しみを嘗めて延ては階級的対立を生ずる如き事実ありとえば一般国策上は勿論国防上の見地よりして看過し得ざる問題である。之が為め国民が等しく利己的個人主義経済観念より脱却し、道義に基く全体的経済観念に覚醒し、速に皇国の理想現実に適応する如き経済機構の樹立に邁進することが望ましい。従つて苟も志もあるの士は其学者たると実業家たると、将又朝に在ると野に在るとを問はず挙国一致其対策を攻究し、之が実現を企図せねばならぬ、国民生活に対し現下の最大問題は農山漁村の匡救である」と広義国防を述べて統制派の意見を展開、各方面にかなりの衝撃を与えた。皇道派は軍人は学徒ではない、と反発。

10月3日
政友会が陸軍パンフレットに対し非難声明。

11月
特別議会で民政党、政友会からの猛攻撃に「軍の意見であるが、必ずしも田立に実行を強いるものではない」と林銑十郎陸相が弁明。