紙芝居

東京市社会局で行つた「紙芝居に関する調査」の結果によると、市内の紙芝居業者は約2,000名に上り、1日1人の業者が1ヶ所に集める子供の数を極く内輪に見積つて30人から50人、1日10回の演出で300人から500人に話を聞かせる事になる。かうして総勢2,000人では将に1日60万人から100万人の児童を紙芝居に引きつけてゐるわけだ。これらの児童達に一番魅力を持つのは何といつても活劇、悲劇、漫画の3種で、その内でも時代劇や戦ゴツコが一番好かれる。今この紙芝居業者の内565人につき教育程度を調べると、尋卒195名で総体の3割5分、高小卒160名で2割8分を占め、この外中等学校卒40名、専門学校出が13名もゐるなどは就職難の現れでもあらうが、既に紙芝居が立派な職業となり、就職地獄対策の立場からいつても相当重要な地位を占めてゐる事がわかる。
(東京朝日)