カメラ犯罪

スパイ禍の防止と共に写真撮影に関する防諜上の取り締まりが一層厳重になり、東京区検事局によれば、昨夏以来当局に送局されたカメラ犯罪事件は40余件におよび、その9割余が起訴された。違反者は旅行、遊覧等で祭り風景を記念撮影したり、汽車の待ち合わせ中に時間つぶしに撮影したものである。例えば――
最近処罰されたものだが、ある男が花嫁を連れて里帰りの際郷里の公園で自分のカメラで花嫁を記念撮影した。ところがその背景が禁止区域になつていた場所だったために罪に問われた。新たに禁止事項を撮ることは絶対に負荷だが、古い写真でも複製譲渡などすれば罪となるし、かつては店頭を飾つた都市美の絵葉書でも今では禁止となっているものも随分多いから、複写に当っては十分に注意を要するし、スケッチに際しても禁止条項は深く留意せねばならない。

少年少女犯罪激増

司法省はこの日を〝少年保護記念日〟とする。支那事変発声以来既に5年、一般犯罪が減少の一途を辿っているのに反して、経済事犯と少年事件とは激増の傾向を示している(全国少年審判所で14年に取り扱った数は1万5,000件を突破)。
少年少女の犯罪もやはり時局性を帯びて事変前とは大分異なっている。東京少年裁判所で昭和15年度に取扱った事件を罪名別にして見ると少年犯で一番多いのは窃盗(万引も含む)で2,400余件、次は横領で約250件、恐喝、強迫が180件、傷害150件、詐欺90件、賭博80余件、放火16件、文書偽造、強盗29件、住居侵入12件、殺人1件となっている。
また少女犯罪ではやはりトップが窃盗で240余件、詐欺10余件、横領10余件、放火4件、失火4件、賭博3件、殺人3件、となっている。住居侵入と賭博とは都会よりも田舎に多く、少女の詐欺は女中難につけ込んで給金を前借して逃げるものが多い。

礼法要項―男女文通は葉書で

中等学校における修身のうちの礼法指導の資料としてつくられた「礼法要項」が文部省から各地方長官に通牒。これは中学校のみならず、その他の各学校をはじめ一般国民の心得るべき礼法の基準を示したもの。
今まで中等学校の作法教授要項は明治44年中等学校及び師範学校男子生徒を主体として制定されてゐたが、今度は昭和の礼法として男女共通につくられた。礼法要項の全体を2編に分け前半は姿勢、最敬礼、拝礼、敬礼、挨拶、言葉遣ひ、起居、受渡し、包結び、制服の10章から成り、後編は皇室・国家に関する礼法が7章、家庭生活に関する礼法が10章、社会生活に関する礼法が9章となつてゐる。
今度加へられたものは拝礼、服制、会食のうちの支那食の場合で、拝礼では「神を拝するには容義をただし、手を清め、紙前に進み、適当なところでとゞまる。再拝、拍子二を行ふか、または拝を行ふ。前後に揖をする……再拝、拍子二の後は一拝を加へることもある」とあり、服制では新しく国民服が加へられてゐる。またいまゝでが男子本位だつたのに女子の礼法も入れたゝめ以下のやうにいろいろ目新しいこともある。
◇女子がひとりでゐる室には男子は近親のもの意外ははいつてはならない。用事は室外で弁ずる。やむを得ず室にはいる場合には扉、襖を閉ぢない。女子の男子に対する場合も同様(同第9章屋内)。
◇(男女間では)文通にはなるべく葉書を用ひる。またその用語に気をつける。
日常生活における国民としての心得はあますところなく記してあり、二、三の例をあげると「飯は湯茶づけのほかにかき込んでたべてはいけない」(食事)「特別の場合のほか深夜に電話をかけてはならない」(通信)「近隣うちよつて互に人の噂をし合つたりみだりに雑談にふけつたりしてはいけない」(近隣)このほか「交通」の項での一列運動や傷痍軍人に席を譲ることなどがある。
(東京日日)

月給・ボーナス統制

会社の配当をはじめボーナスや月給の〝掟〟ともいふべき会社経理統制令が施行されてから既に半年、大蔵省では過去5ヶ月における同統制令の施行状況を発表。
先づ、同令施行当初からとかく重役諸公の面で評判の悪かつた役員退職金の許可については、大会社の〝大物〟が相当含まれてゐるので各方面の注目を集めてゐたが、流石時節柄とあつて〝自粛〟したためかかつて故武藤山治氏が話題を賑はした「退職金300万円」といつた桁外れのものは殆ど見当らず、これまでのところでは80万円が最高となつてゐる。
その二は「年9ヶ月」に押へられた社員のボーナスだが「昭和15年に限り前年同期と同様の賞与を認める」ことにした結果、昨年暮のボーナスには半期に16ヶ月分(1年では実に32ヶ月分)といふ高率賞与も認められてゐる。
その三は応召者や入営者が会社に帰つた場合の「特別昇給」が断然多かつたことで、当局でもこの種の申請はできるだけ早く許可の手続をとりその通知も特に速達で出すといふ親心を示してゐる。
その四は産めよ殖やせよの国策に副つてか新たに家族手当を支給し始めた会社が断然多く、本省で取扱つた文だけでも200件近くに上つてゐる。その他変つた所では「夏、冬一着づつの国民服支給」といふのがあり、これも、最初の一着だけなら時節柄結構なことゝあつて「臨時の給与」として許可してゐる。
(朝日)

肉なし日

4月14日
東京府が警視庁、東京肉商組合代表と協議結果「肉なし日」実施を決定、次のような要旨を関係業者及び経緯視聴に通牒。

△食肉類の業者は毎月2日、8日、18日、28日の4日間を休日とする。
△料理、飲食業者は毎月8日、28日の2日間を〝肉なし日〟として肉使用料理一切を作らぬようにする。

等で、これらの休業日はシューマイやライスカレーなどの肉を使用するものは全然売られないが、「魚類にはもちろんこの規制は適用されないから、せいぜい鯨肉などを食べるように」と府商務課の談。

4月18日
食肉類業者の休日性、初実施。

5月8日
初の「肉なし日」実施。鯨テキ定食が大当たり。

日米交渉開始

4月
米のハル国務長官四原則を前提として、それまで民間レベルで話し合ってきた日米諒解案について野村吉三郎駐米大使と正式交渉に入る。

4月16日
日米「諒解」案成る。

4月18日
日本政府統帥部連絡会議で全員が成立賛成なるも、松岡外相の帰国を待って返電することとする。

4月22日
松岡外相帰国。松岡外相、諒解案に反対、修正案作成。

琵琶湖哀歌

4月6日
神沢第四高等学校ボート部員および四高先輩青島東亜医大大東主事補ら11人が琵琶湖でボート練習中に遭難。

7月13日
遭難の日から百カ日に当たるため地元大溝町では、遺族や各校ボート部選手、400人の四高生、金城高女生80人らが集まり湖上に慰霊法要を執行。金城女生は琵琶湖哀歌を合唱し、四高生らの霊を慰めた。