〝老いらくの恋は怖れず〟

歌人の川田順氏(68)は、京都市左京区北白川の自宅から家出、真如堂に身を寄せ死を決していたが、養嗣子に発見され自宅に連れ戻された。死を決めての家出の原因は、3年前から続いた同氏の歌弟子前某大学教授夫人俊子さん(40)との恋愛をつきつめたため、2人の関係は京都の文人や歌弟子仲間の噂にのぼり、俊子さんは夫と子どもを捨てて今夏離婚、実家に帰り川田氏との結婚を進めていたが、川田氏は世間的配慮から消極的で死による清算をはかろうとした。川田氏の歌は「死なむと念ひ生きむと願ふ苦しみの百日つづきて夏去りにけり」とともに「墓場に近き老いらくの恋は怖るる何もなし」があり、「老いらくの恋」が流行語に。俊子さんの歌は「はしたなき世の人言をくやしともかなしとも思へしかも悔なき」。その後、2人は結婚。

オカマに殴られた警視総監

歳末犯罪の増加に備えて例年より早く、警視庁の田中警視総監らが午後7時すぎから上野公園を視察。写真を撮ろうとランプをつけたことから警視庁首脳部一行と知らぬグレン隊約30人とケンカとなり、総監は一つ、二つ〝男娼〟に殴られ帽子をひったくられた。同行のサン写真新聞社吉村正治記者は左手を、サン・ニュース佐治弘写真部員は左耳に負傷、写真機をとられた。

桃色教官、青森で挙がる

青森県三戸郡北川村剣吉小学校5年担当の教員穴沢史憲(34)が11月9日から1週間で7人の女生徒を宿直室に引き入れ暴行、八戸地区署は強姦致傷の容疑で逮捕。穴沢は独身で、北海道亀田郡大野小学校を免職後、10月初め青森駅前の旅館で剣吉小学校PTA会長と知り合い、会長の紹介で好調が身元も調べず採用、宿直室で起居。

〝死神の夫〟

11月17日
結婚魔か否か、集団見合いで結婚した男が除隊後7年間結婚相談所などを通して、4度も結婚し、そのうち3人までの新妻がいずれも妊娠中に死亡したほか、近親者4人が死んでいるという死神を持ち歩くようなナゾの男―K(31)は武蔵野市署の不審尋問で捕まった。Kは結婚中だが昨日も見合いの予定があった。警視庁は財産横領容疑で留置、取り調べを始めた。Kは多摩川べりの手段見合いで昨年秋河野トミさん(32)と結婚、本年5月相次いで死亡したトミさんと父親の河野末吉さん(63)の父娘の家財売り払いと家屋権利金に関わる横領容疑で、この犯罪構成は非常に濃いとされるが、河野父娘の毒殺か否かはすでに火葬されているので確証をうるのは相当難しいとみられた。

11月29日
Kは、疑いは残るが証拠不十分として釈放。Kは警視庁で係官に「死んだ3人の妻の霊を弔うため信仰の力にすがり再出発したい」と語った。

炭鉱国管汚職事件

9月19日
東京高検は「臨時石炭鉱業管理法」をめぐる石炭業者と国会議員の贈収賄事件を捜査する炭管特別捜査本部を設置。

11月12日
この日から贈賄側の原口鉱業の原口秀雄、木曽鉱業の木曽重義、北九州石炭株式会社社長武内礼蔵を逮捕。

11月23日
昨年の審議で民主党幣原派として炭管法に反対投票した田中角栄法務政務次官の自宅と田中土建の事務所を家宅捜索。

12月23日
田中角栄次官を木曽鉱業から100万円を収賄した容疑で逮捕。つづいて、田中万逸衆議院副議長、竹田儀一元厚相も収賄容疑で逮捕。昭電疑獄ではGHQ内部の対立が表面化し、G2(参謀第二部)がGS(民生局)を追い落とすため(GSのケーディス次官は日野原昭電社長と互いの愛人を通じて親密だった)といわれ、炭鉱国管問題は逆にGSが報復として昭電疑獄で痛手を負った芦田民主党、東京地検と結びついて挑発したといわれる。田中次官は第1審で、懲役6月、執行猶予1年の有罪判決であったが、第2審では無罪。また田中万逸、竹田儀一両氏も無罪が確定。事件の全容は解明されなかった。しかも、吉田民自党へもあったといわれる大口献金も明らかにされずその後の吉田内閣の保守政権を確立することになり、またGHQ内の占領政策の主導権がGSからG2に転換したことをも意味した。