【昭和40年】冥友録

1月4日 T・S・エリオット(76)
アメリカ出身のイギリスの詩人、批評家。1888年ミズーリ州セントルイスに生まれる。ハーバード大学卒業後ソルボンヌやドイツの大学に学ぶが第一次大戦中からイギリスに定住。1917年処女詩集『プルーフロック詩集』で認められ、22年現代詩の金字塔『荒地』、43年『4つの四重奏』で不動の名声を得る。48年ノーベル文学賞受賞。詩作と手を携えた批評では作家ではなく作品と向かいあうことを主張した。

1月6日 花柳章太郎(70)
東大病院小石川分院で心筋梗塞のため。新派俳優。明治41年(1908)喜多村緑郎の門下になり、昭和14年(1939)、新生新派を結成。29年(1954)日本芸術院賞を受け、35年(1960)人間国宝に指定された。新派劇における女形の芸を完成、「滝の白糸」の白糸、「明治一代女」のお梅、「残菊物語」の菊之助などで名演技を見せた。

1月17日 河井酔茗(90)
詩人。明治7年(1874)大阪堺の生まれ。28年上京、かねてより寄稿していた「文庫」の詩の選者となり、横瀬夜雨、伊良子清白、北原白秋ら多くの詩人を世に送り出し、「文庫」派の中心的存在となった、34年(1901)第一詩集『無弦弓』、38年『塔影』を刊行。詩草社を興し「詩人」発刊後は口語自由運動に傾き、43年(1910)『霧』出版。以後も「女性時代」発刊など女流詩人の育成につとめ、多くの後進を育てた。

1月24日 サー・ウィンストン・チャーチル(91)
ロンドンのハイドパーク・ゲートの自宅にて脳卒中のため。1874年生まれ。若くして政界に入り、第一次世界大戦時には内、海、軍需、陸各相を歴任。第二次世界大戦では海相から首相になって英国を勝利に導いた。55年に退任。

1月26日 飛田穂洲(78)
茨城県常澄村大場の自宅で心筋梗塞のため。大正8年(1919)早大野球部の監督となり、飛田式猛訓練で黄金時代を築き上げた。15年(1926)朝日新聞嘱託となり以来甲子園の中等野球にうちこみ学生野球界の元老評論家として知られ、高校野球界の育ての親と慕われた。

1月27日 三船久蔵(81)
日大付属駿河台病院で喉頭しゅように肺炎を併発したため。岩手県出身、慶大中退。明治36年(1903)講道館に入り、翌37年(1904)初段、昭和20年(1945)に十段。柔道一路で「空気投げ」など新技をあみ出し“小さな巨人”といわれ世界の柔道界の尊敬を集めた。

2月15日 ナット・キング・コール(47)
肺ガンで。米国歌手。クラブのピアノ弾きから歌手に。「モナ・リザ」「トゥー・ヤング」「ルート66」7などのヒット曲。全米黒人地位向上協会終身会員。

2月20日 山川方夫(34)
交通事故。小説家。昭和5年(1930)東京生まれ。慶大在学中「バンドの休暇」を発表。29年(1954)より第三次「三田文学」の編集に携わり、江藤淳など多くの新人を発掘した。34年(1959)長編「日々の死」により本格的な活動をはじめ、「海岸公園」「愛のごとく」などを発表、期待されたが、交通事故で急逝した。

3月16日 蔵原伸二郎(65)
北里研究所付属病院にて急性単核球性白血病による。詩人。明治32年(1899)熊本県阿蘇生まれ。慶大在学中「三田文学」などに作品を発表。昭和11年(1936)これらを『東洋の満月』にまとめ刊行。萩原朔太郎、日夏耿之介に師事する。16年(1941)「四季」同人。戦中、詩集『戦闘機』を出版するなど時局に迎合したが、敗戦後みずから否定、詩論『東洋の詩魂』、詩集『岩魚』などを刊行した。『岩魚』では読売文学賞を受賞。

5月3日 中勘助(79)
小説家、詩人、随筆家。明治18年(1885)東京生まれ。一高、東大で夏目漱石の推薦により朝日新聞に連載された長編小説「銀の匙」が好評を得たが、文壇から離れて時流にかかわりなく独自の作家活動を続けた。小説『提婆達多(でいばだった)』『犬』、童話『鳥の物語』、詩集『琅玕(ろうかん)』『機の音』、随筆『しづかな流れ』など。

5月23日 デビッド・スミス(59)
自動車事故により急逝。アメリカの彫刻家。1906年インジアナ州に生まれる。アート・ステューデンツ・リーグ等に学び、絵画から出発するが、ピカソの彫刻に影響を受け30年代初頭より金属彫刻を手掛け始める。キュビスムに想を得た幾何学的構成で、アメリカにおける近代彫刻と戦後の現代彫刻を繋ぐ役割を果たす。代表作に60年代前半のステンレス・スチールによる巨大な「キュービ」の連作がある。

6月13日 マルティン・ブーバー(87)
イスラエルの宗教哲学者。1878年ウィーンに生まれる。1923年よりフランクフルト大学でユダヤ教哲学と宗教史を講じるが、ユダヤ人排斥により34年退職。38年ヘブライ大学教授に就任。シオニストであったがアラブ人との共存を主張した。その思想は対象を観察的に把握する「我-それ」関係に対して対話的な「我-汝」関係を主張した23年の著書『我と汝』に代表される。

7月8日 河野一郎(67)
自宅で腹部の剥離性大動脈出血のため。小田原市出身。大正12年(1923)早大経済学部卒。東京朝日新聞記者を経て、昭和7年(1932)農相秘書官から衆院議員に当選、政友会に所属。戦後、故鳩山一郎氏らと日本自由党を結成。26年(1951)追放解除で自由党に復帰。鳩山、岸、池田、佐藤各内閣で農相、建設相、国務相を歴任。去る3月からは陸連会長。

7月19日 梅崎春生(50)
肝硬変の悪化により東大病院で。小説家。大正4年(1915)福岡県生まれ。東大在学中「早稲田文学」の「風宴」を発表。昭和19年(1944)海軍に招集され暗号特技兵となる。戦後、この体験をふまえた「桜島」を発表、認められ、第一次戦後派の1人として旺盛な活動をつづけ、29年(1954)「ボロ家の春秋」で直木賞受賞。一時低迷するが、38年(1963)自殺した弟をモデルとした「狂ひ凧」で復帰、40年(1965)『幻化』で毎日出版文化賞を受賞したが、急逝。

7月28日 江戸川乱歩(70)
脳出血で池袋の自宅で。探偵小説家。明治27年(1894)三重県生まれ。早大系学部卒。大正12年(1923)「二銭銅貨」が「新青年」に掲載されて認められ、ついで「心理試験」などの独創的なトリックと構成力で地位を確立。「パノラマ島奇譚」「陰獣」「押絵と旅する男」「黒蜥蜴」「怪人二十面相」などの傑作を生み、推理小説界の第一人者となった。戦後は評論、研究にも力をいれ、論集『幻影城』刊行。昭和22年(1947)探偵作家クラブを設立、29年(1954)江戸川乱歩賞設定。また雑誌「宝石」の編集にあたり、後進の指導につとめた。

7月30日 谷崎潤一郎(79)
腎不全に心不全を併発し湯河原の自宅で。小説家。明治19年(1886)東京日本橋生まれ。東大在学中、第二次「新思潮」創刊に参加、「刺青」「麒麟」などを発表、翌年永井荷風に絶賛され、一躍文壇の寵児となる。ついで悪魔主義的な作品を発表、耽美派の地位を確立。関東大震災後は、関西に移住、『痴人の愛』『卍(まんじ)』『蓼喰ふ虫』『春琴抄』など代表的な傑作を次々と発表した。この間、妻千代子を佐藤春夫に譲渡、昭和10年(1935)宿望の松子と結婚。戦中、時流にはいっさいかかわりなく感性美の追求に生き、『源氏物語』の現代語訳と『細雪』の完成につとめた。戦後も『鍵』『瘋癲老人日記』など旺盛な筆力をみせた。ほかに『陰翳礼讃』『文章読本』など。

8月13日 池田勇人(65)
入院先の東大付属病院で、ノドと食道のガン手術後、腹膜炎、肺炎などを併発して。広島県出身、京大卒後、大蔵省に入る。24年(1949)、政界入りし第三次吉田内閣で蔵相。安保騒動後の35年(1960)、総理となり、「高度成長政策」を掲げ、積極財政を打ち出し、対外的には経済外交を進めた。

8月17日 高見順(58)
食道ガン。小説家、詩人、評論家。明治40年(1907)福井県三国生まれ。父は当時の福井県知事阪本釤之助で永井荷風の叔父に当たり、私生児だった。昭和2年(1927)東大英文科入学、翌年左翼芸術同盟に加わり、ナップ加盟、小説や評論を発表するが、8年(1933)検挙、転向。10年(1935)より「故旧忘れ得べき」の連載をはじめ、注目される。翌年「人民文庫」に参加、「描写のうしろに寝てゐられない」などを発表、「日本浪漫派」に対立した。戦後は自伝『わが胸の底のここには』などを執筆するが、肺結核とノイローゼに悩む。23年(1948)詩集『樹木派』刊行。『昭和文学盛衰史』『いやな感じ』など長編にとりくむ一方、日本近代文学館創設にも尽力したが、病に倒れた。病床で発表された詩は39年『死の淵より』にまとめられた。ほかに戦中の『高見順日記』がある。

8月18日 杉浦非水(89)
図案家。明治9年(1876)愛媛県生まれ。東京美術学校入学、川端玉章、黒田清輝に師事。34年(1901)、アール・ヌーボーに感動し図案研究を志、三越、都新聞などの意匠図案を担当。45年(1912)中沢弘光らと光風会創立。大正11年(1922)渡欧、帰国後、七人社を創立主宰。昭和4年(1929)定刻美術学校工芸図案科長、10年(1935)多摩帝国美術学校長をつとめた。

8月24日 安西冬衛(67)
ジューリング疱疹状皮膚炎にて。詩人。明治31年(1898)奈良市生まれ。大正8年(1919)父とともに渡満、15年間大連に住む。その間関節疾患で右脚切断、療養中に詩作をはじめる。13年(1924)北川冬彦らと「亜」を創刊、短詩、散文詩を発表。昭和3年(1928)「詩と詩論」創刊に参加、新散文詩運動の一翼をにない、翌年処女詩集『軍艦茉莉』を刊行。9年(1934)に帰国し堺市に定住。戦中は戦時詩も書いたが、戦後も詩作を続ける。ほかに『大学の留守』『座せる闘牛士』など。
○てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った。  (『春』)

8月27日 ル・コンビュジェ(77)
心臓麻痺で。スイス出身のフランスの建築家、画家。1917年パリに定住。オザンファンと「エスプリ・ヌーボー」誌によってピュリスムを展開。22年建築事務所を開設し都市計画から住宅まで幅広い建築活動を展開。24年『ユルバニスム』の著者として、近代建築国際会議の主導者として合理主義的な近代建築思想を完成。ニューヨークの国連本部設計では顧問を努め、マルセイユの集合住宅で集合住宅構想を集大成した。

9月4日 アルベルト・シュバイツァー(90)
フランスの医者。プロテスタント神学者、哲学者、音楽家。1875年アルザスに生まれる。ストラスブール大学で神学と哲学を学び1906年『イエス-その歴史的考察』が学会で高く評価される。第一級のオルガン奏者でもありバッハの伝記を著し好評を博したが、人類への直接奉仕を願い05年より医学を学び13年妻とともにアフリカ仏領コンゴにワタリ病院を建設し障害を医療に捧げた。52年ノーベル平和賞。哲学では23年『文化哲学』2巻を激務の間隙を縫って書き上げた。

11月10日 市川団十郎(56)
胃ガンのため東京・港区の山王病院で。明治2年(1869)七世松本幸四郎の長男として東京・日本橋に生まれ、大正4年(1915)「山姥」の怪童丸で初舞台。昭和15年(1940)4月市川三升の養子となり九代目市川海老蔵を襲名、37年(1962)十一代目市川団十郎を襲名。当たり役には助六、「勧進帳」の弁慶、「源氏店」の与三郎など。

12月3日 河上丈太郎(76)
療養先の静岡県・伊豆韮山の温泉病院で脳出血で。明治22年(1889)東京生まれ。東大卒。大正8年(1919)キリスト教徒として関西学院教師となり、昭和3年(1928)教職をすてて第1回普通選挙に立候補、安倍磯雄、西尾末広ら7人と共に最初の無産党代議士となった。戦後公職追放解除後27年(1952)右派社会党委員長に就任。「私にとって委員長は十字架である」と述べた。

12月16日 サマセット・モーム(91)
イギリスの小説家。劇作家。1874年英国大使館の顧問弁護士の息子としてパリに生まれる。幼い時父母を失いケント州の叔父に育てられ医師の資格を取得。97年医師経験に取材した処女作『ラムベスのライザ』が認められ文筆業に専念。ストーリー・テラーとして呼んで面白い作品作りを心掛けたが、物語そのものを見張る視線に通俗性はない。代表作に1915年『人間の絆』。19年『月と六ペンス』がある。

12月19日 米川正夫(74)
ロシア文学者、翻訳家。明治24年(1891)岡山県生まれ。ロシア語教師をつとめるかたわら、ドストエフスキー、トルストイ、チェホフ、ゴーリキーなどの翻訳を手がける。昭和28年(1953)『ドストエフスキー全集』の翻訳で読売文学賞を受賞。他の翻訳に『チェホフ戯曲全集』『戦争と平和』など。また『ロシア文学史』『ドストエフスキイ研究』などの著作がある。

12月29日 山田耕筰(79)
脳軟化症に心筋梗塞症を併発して、東京・世田谷区成城の自宅で。作曲家。明治19年(1886)東京生まれ。東京音楽学校声楽家卒業後、43年(1910)ベルリンに留学、作曲を学ぶ。大正3年(1914)帰国、日本初の交響楽団東京フィルハーモニーを組織し、帝国劇場で自作を発表。8年(1919)日本楽劇協会を発足、オペラ運動を興し、11年(1922)には北原白秋と「詩と音楽」を創刊。14年(1939)日本交響楽協会を創設、全国を順演し、交響曲の普及につとめた。その間米、ソ、仏で自作を発表、昭和11年(1936)仏政府よりレジオン・ド・ヌール勲章を受賞。代表作に歌曲集「風に寄せてうたえる春の歌」、オペラ「黒船」などや、歌曲「この道」「からたちの花」で多くの人に親しまれた。

【昭和40年】雑事

1月
新聞の日曜夕刊月2回になる。

4月
全廃。

2月14日
東京都区、道府県庁所在地間のダイヤル即時、都道府県庁所在地相互間の手動即時各通話網完成。

3月16日
イリオモテヤマネコ命名。

3月18日
「明治村」(愛知県犬山市)開く。

5月5日
国立こどもの国開園。

6月3日
米、2人乗り衛星船ジェミニ2号打ち上げ。

11月10日
東海発電所、初の営業用原子力発電に成功。

12月18日
初の6車線高速道路・第三京浜開通。

*「話の特集」「SD」創刊。

【昭和40年】生活

8月
帝人、ヒザ上10センチのミニスカート、テイジン・エル売り出す。

11月1日
世田谷に国立小児病院開設。

*千円ウイスキー、ブラックニッカ発売。

*アイビー族流行す。

*VANがスニーカー発売。

*「歩け歩け1日1万歩」運動が盛んになり万歩計発売。

*国産初コロナ・ハードトップ発表。

*ラルフ・ネーダー『どんなスピードでも自動車は危険だ』発表。

【昭和40年】スポーツ

1月26日
佐田の山、横綱に昇進。

1月
大相撲初場所から部屋別総当たり制実施。

2月1日
女子バレーボールのニチボー貝塚大松博文監督が退社。

3月4日
高砂部屋にハワイからジェシー・クハウルア君(18)新弟子検査に合格。高見山大五郎。

4月
ヒューストンに初の屋根付き球場アストロドーム開場。

4月23日
国鉄スワローズが経営権をサンケイ新聞とフジテレビに譲ることを発表。

6月6日
日本サッカーリーグ開幕。釜本邦茂・杉山隆一ら人気。

6月12日
ポリテクニック・ハリヤーズ・マラソン(ウィンザー・マラソン)で、重松森雄選手は2時間12分0秒の世界新記録で優勝。2位に寺沢徹。

6月21日
全米オープンゴルフで南アのゲーリー・プレーヤー優勝。全英オープン、マスターズ、全米プロを加えゴルフ界3人目のグランドスラム達成。

10月21日
プロ野球パ・リーグの南海ホークス野村克也捕手が、打率3割1分6厘6毛、本塁打42本、打点110で打撃の三冠王に。またセ・リーグのほうは、江藤(中日)が王(巨人)を1分4厘4毛とひき離し、王の三冠王は絶望的となった。

11月5日
プロ野球日本選手権で川上監督率いる巨人が南海をシリーズ通算4勝1敗の成績で破り、日本一の座に。この年から巨人は昭和48年(1973)の日本選手権までV9。

11月17日
鶴岡一人氏の後任として去る13日就任したばかりの南海ホークス新監督蔭山和夫氏が、急性副腎皮質機能不全で急死。

11月20日
鶴岡前監督が復帰。

【昭和40年】舞台

1月2日
東宝ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」淀かほる、高島忠夫。

2月
新国劇、新人緒形拳、大山克己売り出し。

9月3日
喜劇座(旧笑いの王国)山本周五郎作「ちゃん」初演。

9月4日
千田是也演出「ファウスト」(平幹二朗主演・日生劇場)。

10月
第1回「名古屋・顔見世」(御園座)。

12月2日
東宝ミュージカル「王様と私」市川染五郎ら。

12月
状況劇場、唐十郎作「ジョン・シルバー」(堂本正樹演出)。

【昭和40年】美術

3月
在欧日本人美術展(ローマ日本文化会館)荻須高徳。長谷川潔、吾妻兼治郎ら。

6月16日
第6回リュブリアナ国際版画展に池田満寿夫、長谷川彰一入賞。

8月21日
東京国立博物館で「ツタンカーメン展」開催。「黄金のマスク」「金張りの寝台」など45点を公開。

9月
第4回パリ青年美術ビエンナーレ国際美術展で森省一郎入賞。

9月
フォーブ60年展(高島屋)。

9月2日
第8回サンパウロ・ビエンナーレで菅井汲。洋画部門で最優秀賞。

9月28日
第1回インダストリアル・デザイン会議(東京文化会館)。

10月4日
日本サイン=デザイナー協会第1回シンポジウム。

10月1日
第1回現代日本彫刻展(宇部市野外彫刻美術館)。

12月
サンフランシスコ美術館やニューヨーク近代美術館で「新しい日本の絵画と彫刻」展。

*NY近美の「感応する眼」展で、ブリジット・ライリーの「錯視」の作品が、オップ・アートとして話題となる。

*写真展=田中光常「日本野生動物記」/師岡宏次「東京三十年」・木村伊兵衛「新・人国記」/奈良原一高「スペイン・偉大なる午後」/ブルース・デビットソン個展(シカゴ美術館)

*立木義浩「舌出し天使」(カメラ毎日)/富山治夫「現代語感」(朝日ジャーナル)/土門拳『古寺巡礼2』/岡村昭彦『これがベトナム戦争だ』/川田喜久治『地図』/桑原史成『水俣病』/『野島康三遺作集』/北井一夫『抵抗』

*第9回写真批評家協会作家賞=木村伊兵衛。新人賞=立木義浩。富山治夫。特別賞=毎日グラフ編集部(「日本の戦歴」)

【昭和40年】文・学

*中野重治「甲乙丙丁」(群像)/井伏鱒二「黒い雨」(新潮)/石川淳「至福千年」(世界)/開高健「青い月曜日」(文学界)/高橋和巳「邪宗門」(朝日ジャーナル)/長谷川四郎「分遣隊」(展望)/立原正秋「剣ヶ崎」(新潮)/宇野千代「刺す」(同)/梅崎春生「幻化」(同)/小林秀雄「本居宣長」(同)/小島信夫「抱擁家族」(群像・第1回谷崎潤一郎賞」)/三島由紀夫「春の雪」(新潮)/谷崎潤一郎「七十九歳の春」(中央公論)/三島由紀夫「サド侯爵夫人」(文芸)

*開高健『ベトナム戦記』/大江健三郎『厳粛な綱渡り』/倉橋由美子『聖少女』/安部公房『砂漠の思想』/安堂次男『芭蕉』/高橋和巳『憂鬱なる党派』/那珂太郎『音楽』/大岡信『超現実と抒情』

*『明治文学全集』(100巻・筑摩書房・第1回<森鴎外集>)、『日本の歴史』(中央公論社)『明治百年叢書』(原書房)刊行開始。『西田幾多郎全集』再刊。

*ベストセラー 岡村昭彦『南ヴェトナム戦争従軍記』/大松博文『おれについてこい』/池田大作『人間革命』/山崎豊子『白い巨塔』

*芥川賞 津村節子「玩具」、高井有一「北の河」
 直木賞 藤井重夫『虹』、新橋遊吉『八百長』、千葉治平『虜愁記』

【昭和40年】漫画

1月
六浦光雄「日曜散歩」(朝日新聞日曜版)。

2月
望月あきら「すきすきビッキ先生」(マーガレット)。

3月
矢代まさこ『ようこシリーズ』第一巻。

4月
サトウサンペイ「フジ三太郎」(朝日新聞夕刊)。ちばてつや「ハリスの旋風」=石田国松(少年マガジン)。白土三平「ワタリ」(少年マガジン)。

6月
園山俊二「ギャートルズ」(漫画サンデー)。楳図かずお「ねこ目の少女」(少女フレンド)。

7月
巴里夫「5年ひばり組」(りぼん)。

8月
水木しげる「ゲゲゲの鬼太郎」(少年マガジン)。西谷祥子「マリールウ」(マーガレット)。東京デザイン・カレッジ漫画部創設、初の漫画教室(横山泰三部町。

11月
棚下照生「めくらのお市物語」(週刊漫画Times増刊)。埼玉県大宮市に「市立漫画会館」(旧北沢楽天邸)開館。

12月
藤子不二雄「怪物くん」(少年画報)。福地泡介「ドボン氏」(漫画サンデー)。

*京大新聞学生調査の週刊誌部門4位に「少年サンデー」がランク。法大でも漫画週刊誌がベストセラーに。白土三平「カムイ伝」赤塚不二夫「おそ松くん」などが人気。

【昭和40年】映画

5月21日
大映の労使紛争で東京撮影所に警官二百数十人が出動。

5月
羽仁プロ設立。

7月7日
東映、経営合理化のため東西両撮影所に製作所を新設、別会社組織にすると発表。

7月10日
東映、大阪で深夜興行開始。

8月30日
松竹、京都撮影所の閉鎖を正式決定。

9月
「赤ひげ」(黒沢プロ=東宝 監督:黒沢明)で主演した三船敏郎、ベネチア映画祭で最優秀男優賞を受賞。

12月
今村プロ設立。

12月1日
松竹、250人に自宅待機を発令。

*この年、全国映画館入場人員3億7,267万人で最盛期の33%に減少。日本映画封切り本数483本のうちピンク映画を大部分とする独立プロ作品218本を数える。

日本列島 日活
監督:熊井啓
主演:二谷英明、芦川いずみ、宇野重吉

にっぽん泥棒物語 東映
監督:山本薩夫
主演:三国連太郎、佐久間良子、伊藤雄之助、緑魔子

証人の椅子 大映
監督:山本薩夫
主演:福田豊士、奈良岡朋子

冷飯とおさんとちゃん 東映
監督:田坂具隆
主演:中村錦之助、森光子、新珠三千代

恐山の女 松竹
監督:五所平之助
主演:吉村実子、吉田義夫、殿山泰司

ブワナ・トシの歌 東京映画=昭和映画
監督:羽仁進
主演:渥美清

悪党 近代映協=東宝
監督:新藤兼人
主演:小沢栄太郎、乙羽信子

水で書かれた物語 日活
監督:吉田喜重
主演:岡田茉莉子、入川保則

おれについてこい! 東宝
監督:堀川弘道
主演:ハナ肇、草笛光子

網走番外地 東映
監督:石井輝男
主演:高倉健、南原宏治、丹波哲郎

昭和残侠伝 東映
監督:佐伯清
主演:高倉健、三田佳子

明治侠客伝・三代目襲名 東映
監督:加藤泰
主演:鶴田浩二、藤純子

美しさと哀しみと 松竹
監督:篠田正浩
主演:八千草薫、加賀まりこ

血と掟 松竹
主演:安藤昇

雪国 松竹
監督:大庭秀雄
主演:岩下志麻、木村功、加賀まりこ

霧の旗 松竹
監督:山田洋次
主演:倍賞千恵子、滝沢修、新珠三千代

兵隊やくざ 大映
監督:増村保造
主演:勝新太郎、田村高広

若親分出獄 大映
主演:市川雷蔵

大怪獣ガメラ 大映
監督:湯浅憲明

春婦伝 日活
監督:鈴木清順
主演:川地民夫、野川由美子

8 1/2 伊
監督:F・フェリーニ
主演:M・マストロヤンニ、C・カルディナーレ

戦争の真の終り 波
監督:J・カワレロウィッチ

柔らかい肌 仏
監督:F・トリュフォー

メリー・ポピンズ 米
主演:ジュリー・アンドリュース

コレクター 米
監督:W・ワイラー
主演:テレンス・スタンプ

赤い砂漠 伊
監督:M・アントニオーニ
主演:モニカ・ヴィッティ

サウンド・オブ・ミュージック 米
監督:ロバート・ワイズ
主演:J・アンドリュース

素晴らしきヒコーキ野郎 米
監督:ケン・アナキン
主演:S・ホイットマン、石原裕次郎

わかれ道 米
監督:ラリー・ピアース
主演:バーバラ・バリー

恋人のいる時間 仏
監督:ジャン=リュック・ゴダール

007/ゴールドフィンガー 英
主演:ショーン・コネリー

水の中のナイフ 波
監督:ロマン・ポランスキー

反撥 英
監督:ロマン・ポランスキー
主演:カトリーヌ・ドヌーヴ

偉大な生涯の物語 米
監督:G・スティーブンス
主演:M・フォン・シドー、C・ヘストン

グレートレース 米
主演:T・カーティス、J・レモン、N・ウッド

荒野の用心棒 伊
監督:S・レオーネ
主演:C・イーストウッド

ああ結婚 伊
監督:デ=シーカ
主演:S・ローレン、マストロヤンニ

野望の系列 米
監督:オットー・プレミンジャー
主演:H・フォンダ