【昭和47年】冥友録

1月1日 モーリス・シュヴァリエ(83)
パリのネッケル病院で腎臓病のため。フランスのシャンソン歌手、映画俳優。1888年パリの貧しい家庭に生まれる。幼いころから芸人となり1908年ミスタンゲットにそのパートナーとしてミュージック・ホールで活躍したちまち人気者となり、パリの下町の庶民的な雰囲気を漂わせた歌手として親しまれる。29年パラマウントに招かれて渡米。同年「ラヴ・パレード」、31年「陽気な中尉さん」等数々のアメリカ映画に主演。

1月27日 マヘリア・ジャクソン(60)
心臓発作のためシカゴ郊外の病院で。米国人女性歌手。黒人霊歌の第一人者でゴスペル・ソング(福音歌)を歌わせたら右に出る者はいない。故ルイ・アームストロングに「ブルースを歌ってみては」と誘われたが、「ブルースは絶望の歌、ゴスペルは希望の歌よ。ブルースのためにゴスペルを捨てることはできない」と固辞。またJ・F・ケネディ大統領就任式で国歌を歌う。

2月10日 吉原治良(67)
兵庫県芦屋市立市民病院でくも膜下出血のため。洋画家。明治38年(1905)大阪生まれ。関西学院専攻科在学中より古典を開催。シュルレアリスムふうの静物画や風景がからモンドリアンを手がかりとして純粋抽象へとすすみ、昭和12年(1937)二科展で特待賞をうける。翌年若手前衛作家たちと九室会結成。戦後もはやくから活動を再開、29年(1954)具体美術協会を結成し、多くの野外イベントや抽象表現主義運動の中心的存在として活躍した。

2月15日 エドガー・スノー(66)
スイス・レマン湖畔エザン村の自宅でガンのため。アメリカのジャーナリスト。1905年カンザス・シティーに生まれる。新聞、雑誌の特派員として極東、中東各地を回る。30年代半ばより中国に腰を据え、36年外国人として初めて共産党解放地区に入り、半年にわたって取材した成果を37年『中国の赤い星』で示し一躍世界的なジャーナリストとなる。第二次大戦中は「サタデー・イブニング・ポスト」特派員として活躍。戦後も中国との親交を保ち著作活動を続けた。

2月17日平林たい子(66)
東京・信濃町の慶応病院で心不全のため。小説家。明治38年(1905)長野県生まれ。高女時代より社会主義思想への関心強く、上京後アナキストグループに接近。入獄後満州、朝鮮を放浪して帰国、昭和2年(1927)『施療室にて』を発表、注目される。同年小堀甚二と結婚。葉山嘉樹と並んで「文戦」派の代表的作家となる。戦中、検挙、投獄、闘病と過酷な生活を続けながら徹底した抵抗をみせ、戦後その体験をもとに『一人行く』『かういふ女』『私は生きる』など強靭な生命力にあふれた作品を次々と発表、代表作となった。また『地底の歌』などやくざものも書いた。小堀とは30年(1955)に離婚。

2月26日 渡辺順三(77)
東京千駄谷の代々木病院で心筋梗塞のため。歌人。明治27年(1894)富山市生まれ。13歳で上京、家具製造の小僧となる。43年(1910)より作歌を始め、窪田空穂に入門。大正13年(1924)第一歌集『貧乏の歌』刊行。新興歌人連盟、プロレタリア歌人同盟に参加し、『史的唯物論より見たる近代短歌史』を刊行。戦後「人民短歌」創刊。ほかに歌集『烈風の街』、『評伝・石川啄木』『幸徳事件の全貌』など。

3月2日 鏑木清方(93)
神奈川県鎌倉市雪ノ下の自宅で老衰のため。日本画家。明治11年(1878)東京・神田生まれ。24年(1891)水野年方に入門、新聞雑誌に挿絵を描く。翌年「一葉女史の墓」を発表し注目をあつめる。大正5年(1916)結城素明、松岡映丘らと金鈴社設立。以後「黒髪」「朝涼」「築地明石町」など新しい美人画に画境をひらき、明治・大正の庶民生活を多く描いた。交流のあった泉鏡花の小説の挿絵、歌舞伎の舞台装置、「円朝」「樋口一葉」など肖像画にも貴重な仕事を残し、また文筆家としての声価も高い。

3月29日 J・アーサー・ランク(83)
イギリスの映画事業家。1888年ヨークシャーの大実業家の家に生まれる。ドキュメンタリー映画製作から出発して一般映画に進出。大資本力を背景に多くの映画館やプロダクションを傘下に収め46年「アーサー・ランク・オーガニゼーション」を設立。各部門を独立させ、映画作りは独立プロ集団に任せ「ヘンリー五世」「赤い靴」等数々の名作を世に送り出したが、50年代財政的困難から急速に衰退した。

4月7日 三橋鷹女(73)
東京・武蔵野市の西窪病院で腹腔内出血のため。俳人。明治32年(1899)千葉県生まれ。結婚後、夫の手ほどきにより俳句を始め、昭和4年(1929)原石鼎に師事。強烈な個性による独特の表現は、立子、汀女、多佳子とともに女流の4Tと称された。28年(1953)「薔薇」同人、33年(1958)「俳句評論」同人となる。句集に『向日葵』『白骨』『羊歯地獄』『魚の鰭』。
○この樹登らば鬼女となるべし夕紅葉
○口中一顆の雹を啄み 火の鳥や

4月16日 川端康成(72)
小説家。明治32年(1899)大阪市生まれ。東大在学中第6次「新思潮」創刊、大正10年(1921)同誌に「招魂祭一景」を発表、好評をえる。12年(1923)「文芸春秋」同人、横光利一と知り「文芸時代」創刊、新感覚派の作家、理論家として活躍。昭和4年(1929)短編集『伊豆の踊子』を出版し、鋭い感受性と叙情性にみちた短編作歌として名声をあげ、以後『浅草紅団』など浅草ものや『水晶幻想』『禽獣』などから『雪国』に至る数々の名作を生んだ。8年(1933)小林秀雄らと「文学界」創刊。戦後は『千羽鶴』『山の音』『みづうみ』『眠れる美女』など次々に代表作を世に出すとともに日本ペンクラブ会長として尽力。43年(1968)にノーベル文学賞。

5月1日 ジョン・エドガー・フーバー(77)
ワシントンの自宅で高血圧性心臓血管症のため。29歳から77歳のこの日までの48年間、FBI(米連邦捜査局)長官を勤め、8代の大統領16人の司法長官につかえた。1924年長官就任当時職員500人足らずのFBIを、いまや年間予算3億3,400万ドル、職員1万9,000人、司法長官もアンタッチャブルな独立王国・FBIに築き上げた。フーバーはそのFBIのシンボルであり、法と秩序の権化だった。しかしそこには米国民主主義の一つの顔、保守主義が強く現れ、共産主義者を敵と見、晩年反戦平和運動、黒人運動としばしば問題を引き起こし、FBI自体を問題の渦中に投じた。

5月8日 中村雨紅(75)
神奈川県立厚木病院で回盲部ガンのため。詩人。東京八王子生まれ。青山師範卒。日暮里の小学校工員時代の大正8年(1919)、郷里高尾山の情景をうたった「夕焼け小焼け」を作詞した。昭和初め厚木市に移り、厚木東高校で教べんをとる。昨年作詞生活50余年をまとめた『中村雨紅詩謡集』を発刊、日本詩人連盟相談役。

5月8日 伊東深水(74)
ぼうこうガンのため死去。日本画家。明治31年(1898)東京生まれ。44年(1911)鏑木清方に師事。大正11年(1922)東京博覧会で「指」が二等銀牌をうけ、美人画としての名声をあげる。昭和2年(1927)「羽子の音」、4年(1929)「秋晴」が帝展で特選となり、戦後も「銀河祭り」「鏡」「聞香」などの意欲作を発表、22年(1947)日本芸術院賞を受賞。25年(1950)児玉希望と日月社を結成主宰。美人画家であると同時に現代風俗画家でもあった。

5月28日 大矢市次郎(78)
東京・文京区目白台の東大病院分院で肺ガンのため。東京・浅草蔵前の生まれ。14歳の時、伊井蓉峰一座出演をきっかけに伊井門下の藤井六輔一座に加入。昭和14年(1939)に故花柳章太郎、伊志井寛らと新生新派を結成、新派一筋に舞台生活を送った。当たり芸は「婦系図」の酒井先生、「日本橋」の五十嵐伝吉、「明治一代女」の巳之吉など。芸風は渋いが巧みな“間”と呼吸で、独自の芸境を作り上げた。

5月28日 小汀利得(おばまとしえ)(82)
川崎市中原区の日本医科大学付属第二病院で急性肺炎のため。大正4年(1915)早大政経学部を卒業、島田三郎衆議院議長の秘書などをしたのち、10年(1921)日本経済新聞社の前身、中外商業新報社に入り、昭和21年(1946)社長に就任。22年(1947)公職追放を受け社長を辞任。25年(1950)追放解除後、現在まで同社顧問。ベランメエ調の評論で“言論の彦左”といわれ、遺言の「弔問を断ること」を守るため、その死が世間に知らされたのは、近親者のみ密葬が行われたのちであった。

6月2日 高村豊周(81)
文京区千駄木の自宅で気管支肺炎のため。鋳金家。明治23年(1890)東京生まれ。父は高村光雲、兄は光太郎。42年(1909)東京美術学校鋳金科に入学し、津田信夫に師事。早くから新しい芸術運動に関心をもち新興工芸の会に参加。大正15年(1926)母校助教授となり、津田らと主観的表現を重視する新しい工芸をめざす「无型」結成、日本工芸美術会にも参加。翌年より帝展で2年連続特選となる。昭和10年(1935)実在工芸美術会結成。戦後も工芸会の発展に尽力し、39年(1964)重要無形文化財保持者となる。

6月9日 徳岡神泉(76)
京都市右京区の清水病院で尿毒症、腎不全のため。日本画家。明治29年(1896)京都生まれ。竹内栖鳳の門に入り、大正6年(1917)京都市立絵画専門学校を卒業。14年(1925)帝展に「罌粟」が初入選して以来「蓮池」「鯉」が特選となるなど日展、帝展、新文展などで活躍。戦後も自己の内面を深くみつめた独自の表現により高い評価をうけ、日本芸術院賞、毎日美術賞などを受賞。昭和41年(1966)文化勲章をうける。

6月11日 鳥海青児(ちょうかいせいじ)(70)
東京・虎の門病院で胸膜炎、急性肺炎のため。洋画家。明治35年(1902)神奈川県生まれ。関西大学経済学部在学中より春陽会に出品。卒業後渡欧。昭和8年(1933)帰国し、春陽会会員となる。18年(1943)春陽会を脱退、独立美術協会会員となる。33年(1958)現代日本美術展に「ピカドール」を出品、最優秀賞受賞。翌年毎日美術賞受賞、東洋の古画、仏像、浮世絵にも造詣が深かった。

6月12日 ルードヴィヒ・フォン・ベルタランフィ(70)
オーストリア出身の理論生物学社。1901年ウィーンに生まれる。生物学の機械論と生気論を超える有機体論の立場を説き、32~42年の大著『理論生物学』で理論生物学の礎を築く。第二次大戦後はカナダとアメリカに拠点を移すと共に自身の理論をより一般化し社会科学の分野にまで及ぶ「一般システム理論」を唱導。68年『一般システム理論』に集大成した。

7月27日 クーデンホフ・カレルギー伯(78)
オーストリアのシュルンスで脳血栓のため。母は日本人でクーデンホフ・光子さん。1922年パン・ヨーロッパ綱領を発表して欧州統合運動に乗り出した。最近はブリュッセルに本部を置くパン・ヨーロッパ運動の会長をしていた。

8月18日 ジュール・ロマン(86)
フランスの小説家、劇作家、詩人。高等師範学校在学中の1903年パリの雑踏を歩いていて群衆の魂の一体化に触れ「全体的なもの」の意識を味わう。それをユナニミスムと呼び08年『一体生活』等の詩集で示す。またこの時期にデュアメルらのアベイ派の活動に参加して合流を図った。演劇では23年「クノック」、小説では32~46年の27巻に及ぶ大河小説『善意の人々』で人間の一体感を楽天的に称揚した。

9月1日 川上澄生(77)
本名澄雄。自宅で心筋梗塞で。版画家。明治28年(1895)横浜生まれ。大正5年(1916)青山学院高等部卒、翌年アメリカ、カナダ、アラスカを放浪。帰国後中高校の教師。創作版画草創期のパイオニアの1人。脱俗の画家といわれ、明治開化期への郷愁を詩文を入れた木版で歌う。「ゑげれすいろは人物」「ろまんちっく手摺千代紙」「らんぷ」など。

9月22日 アンリ・ド・モンテルラン(76)
パリで拳銃自殺を遂げる。フランスの小説家、劇作家。1896年名門貴族の家庭に生まれる。1914年第一次大戦に従軍を希望するが母に反対され、翌年母の死後従軍するが重傷を負う。20年『朝の交替』を出版。以後戦争、スポーツ、闘牛等をテーマとした作品を描き続け、36~39年には4部作『若い娘たち』で女性の幻想の愚かさを容赦なく暴き評判を呼ぶ。第二次大戦中対独協力。戦後は主に劇作に専念。

10月4日 東海林太郎(73)
東京・立川中央病院で脳出血による心臓衰弱のため。秋田県生まれ。早大商学部卒。昭和8年(1933)第2回音楽コンクール声楽部門で入賞、同年「河原月夜」でデビュー。翌9年(1934)「赤城の子守唄」が大ヒット。以後「国境の町」「旅笠道中」「野崎小唄」「お夏清十郎」「すみだ川」とヒットが続き大スターとなった。

10月22日 柳家金語楼(71)
東京信濃町の慶応病院で胃ガンのため。7歳のとき落語家柳屋三語楼に師事、“兵隊落語”で一時代を画し、戦後は「こんにゃく問答」「ゼスチャー」「おトラさん」などテレビで活躍。60余年間にわたって“笑い”を提供しつづけた。

11月1日 エズラ・バウンド(87)
ベネチア市民病院で。アメリカの詩人、批評家。1885年アイダホ州に生まれる。ペンシルベニア大学に学び1908年ベネチアで処女詩集『消えた光』を発表。ロンドンでイマジズム等の現代詩運動を展開しエリオット、ジョイスに影響を与え、パリでは「失われた世代」の作家の成長に貢献。天才的な語学力と博学を武器に傑作『キャントウズ』を書き続けた。第二次大戦中ファシズムの宣伝放送に携わり戦犯に問われたが精神異常で無罪になっている。

12月29日 ジョゼフ・コーネル(69)
ニューヨークで死去。アメリカの彫刻家。1903年ニューヨーク州ナイアッックに生まれる。30年代にエルンストに感銘を受けシュルレアリスムに接近。コラージュ等を試みるがやがて箱のシリーズに自らの表現世界を見出していく。母親と狂人の弟と共に木造の家に住んでいたという彼の作品は、箱の中にコラージュやオブジェを配した完結した小宇宙であり少年期を凝結したような硬質な郷愁を漂わせている。

【昭和47年】雑事

2月1日
電算機周辺装置等輸入自由化。

2月14日
国鉄、名古屋ターミナルビルに投資、初のホテル営業。

7月
雷鳥激減、登山者公害で150羽に。

10月2日
日本海縦貫線の前線電化。

11月7日
都内173ヵ所の望楼、見通し悪くなり全廃決定。

*レズビアンの機関誌「若草の会」発行。

【昭和47年】生活

4月1日
ハム・ベーコン等輸入自由化。

4月
米で女性運動誌「Ms」発刊。

7月10日
「ぴあ」創刊。

9月12日
耳に穴をあける穴あけ器と24金イヤリングのセットを売り出したが兵庫県衛生部は「医師法違反」として販売禁止通達。

10月1日
自動車「初心者マーク」義務化。

*サファリ・ルック定着。

*オセロ発売。

*ケンとメリーのスカイラインGT発売。

【昭和47年】流行

日本列島改造論

三角大福

ニーハオ

総括

あっしにはかかわりのねえことでござんす

お客さまは神様です

恥ずかしながら

恍惚の人

子連れ狼

おれ、ゴリラ

愛情はつらつ

エンキリ

ひそかに情を通じ

のんびりいこうよ、おれたちは

パンダ

ポルノ

わかばマーク

知る権利

【昭和47年】スポーツ

3月2日
立行司・木村庄之助(63)が突然辞表を提出。「昨年末、待遇改善をめぐっての行司の造反劇や初場所の差し違えによる謹慎処分などの一連の問題で疲れた」というのが理由。これより前、1月に、行司年功序列制度廃止。

3月4日
日本人同士の世界タイトルマッチ、世界フライ級チャンピオン大場政夫が花形進に判定勝ち。

3月6日
東京・大田区体育館で新日本プロレスの旗揚げ興行開幕。豊登が参加。

3月16日
ムハマド・アリ来日。

4月1日
対フォスターのノンタイトル15回戦はアリが判定勝ち。

4月1日
米大リーグ選手年金問題で初のスト。

4月29日
広島東洋カープの外木場義郎投手(26)は、広島球場で行われた対巨人戦でノーヒット・ノーラン・同投手は「完全試合」を含め3度目の快記録、戦前の故沢村栄治(巨人)とタイ、戦後では初めて。

7月8日
第1回日米大学野球世界選手権大会が神宮球場で開幕。

7月14日
第2戦で送球を頭に受け重傷の東門明選手(20)=早大2年=は脳ざ傷で死亡。

7月18日
日本が5勝2敗で優勝。

7月16日
高見山初優勝。

9月19日
王貞治、6試合連続ホームランのプロ野球新記録達成。

9月26日
プロ野球阪急の福本豊選手(24)が米大リーグ、ドジャースのモーリー・ウイルスの盗塁大リーグ記録104(1962年)を上回る105盗塁を達成。

10月31日
阪神村山実投手(兼監督)引退を表明。

11月17日
ロッテは金田正一の監督就任を発表。

11月28日
全日本フィギュア選手権に13歳の渡部絵美が初出場、初優勝。

*プロゴルファー尾崎将司は年間10勝をあげ年間賞金獲得額を前年の1,800万円から2,930万円に引き上げた。

【昭和47年】舞台

3月
韓国ソウル西江大学グラウンドで唐十郎作「二都物語」。

4月14日
渋谷区松涛町に観世能楽堂落成。

4月19日
鈴木忠志・白石加代子、パリの世界演劇祭参加。

5月26日
芸術座の薄田研二(73)急性肺炎で死去。

6月
菅孝行ら「不連続線」旗揚げ公演「にっぽん水滸伝」。

6月
篠山紀信写真展「女型玉三郎」(東京・大丸)。

7月8日
市川竹之丞、五代目中村富十郎襲名。

10月
土方巽「燔犠大踏鑑・四季のための二十七晩」上演。

10月
蜷川幸雄、清水邦夫らの桜社「ぼくらが非情の河をくだる時」上演。新宿アートシアター・レイトショーで。

10月23日
尾上菊之助、七代目菊五郎襲名発表。

11月
山崎正和、別役実、内藤武敏ら実験劇場グループ「手の会」結成。

12月17日
花登筐、劇団「喜劇」結成。大村崑、谷幹一、中村メイコら。

*岸田戯曲賞=井上ひさし「道元の冒険」。

【昭和47年】美術

2月
第2回インド・トリエンナーレで吉原治良がゴールドメダルを受賞。

2月
<戦後日本美術の展開-具象表現の変貌>展。

2月
第1回京都ビエンナーレ、狗巻賢二、植松奎二、柏原えつとむ、河口龍夫ら37名。

3月
具体美術協会解散。

3月
田窪恭治展(田村画廊)。

4月
上野の森美術館開館。

4月
ウシーン幻想絵画展(小田急)/青木繁展(ブリヂストン美術館)/ディーラーとドイツ・ルネッサンス展(東西美)。

6月
シケイロス展(東京セントラル美術館)。

7月
森山大道、個人誌「記録」発行(48年(1973)6月まで5号)。

9月
文化庁、高松塚古墳壁画模写を前田青邨、平山郁夫ら5人に委嘱。

昭和49年(1974)4月
模写完成。

9月
ジェームズ・アンソール展(神奈川近美)/現代の眼-近代日本の美術から(東近美)。

9月
リッカー美術館開館。

11月3日
栃木県立美術館開館。

11月16日
第8回東京国際版画ビエンナーレ展、高松次郎<THE STORY>国際大賞受賞。

11月
三木富雄展(南画廊)。

12月
カメラ毎日が「ダイアン・アーバス作品集」掲載。翌年にかけ4回。

*浮世絵ブーム。

*写真展=土門拳「古寺巡礼」。

*川田喜久治「気まぐれ」/土田ヒロミ「絆」/森山大道「桜花」『写真よさようなら』。

【昭和47年】文・学

8月
鶴見俊輔、小田実ら、韓国の詩人金芝河の無条件即時釈放・自由な活動の保証要求。

10月1日
初の『部落解放年鑑』刊。

*半村良「産霊山秘録」(SFマガジン)第1回泉鏡花賞。

*安岡章太郎「走れトマホーク」(新潮)/金子光晴「ねむれパリ」(中央公論)/石牟礼道子「天の魚」(展望)/大江健三郎「同時代としての戦後」(群像)/野上弥生子「森」(新潮)

*丸谷才一『たった一人の反乱』/山崎正和『鴎外戦う家長』/小島信夫『私の作家評伝I』/石原吉郎『望郷と海』/吉原幸子『オンディーヌ』/西郷信綱『古代人と夢』/柄谷行人『畏怖する人間』/山崎朋子『サンダカン八番娼館-底辺女性史序章』/渡辺一民『ドレフュス事件-政治体験から文学創造への道程』/モノー・村上光彦訳『偶然と必然』/梅原猛『隠された十字架』/田尻宗昭『四日市・死の海と闘う』/素九鬼子『旅の重さ』

*『現代俳句大系』(12巻・角川書店)『現代短歌大系』(大岡信・塚本邦雄・中井英夫編・12巻・三一書房)『定本 山頭火全集』刊行開始。

*芥川賞 宮原昭夫『誰かが触った』、畑山博『いつか汽笛を鳴らして』、山本道子『ベティさんの庭』、郷静子『れくいえむ』
 直木賞 綱渕謙錠『斬』、井上ひさし『手鎖心中』

*ベストセラー 有吉佐和子『恍惚の人』、田中角栄『日本列島改造論』、司馬遼太郎『坂の上の雲』、浜尾実『女の子の躾け方』、松原泰道『般若心経入門』

【昭和47年】漫画

1月
チャールス・シュルツ「スヌーピーとチャーリーブラウン」(週刊朝日)。小池一雄作・池上遼一画「I餓男」(週刊現代)。手塚治虫「奇子」(ビッグコミッック)。『底辺絵巻の画工たち 劇画家』刊。

2月
上村一夫「同棲時代」(漫画アクション)。

3月
矢口高雄「釣りバカたち」(漫画アクション)。かわぐちかいじ「血染の紋章」(週刊漫画Times」。

4月
ちばあきお「キャプテン」(別冊少年ジャンプ)。萩尾望都「ポーの一族」(別冊少女コミック)。尾崎秀樹『現代マンガの原点』刊。

5月
池田理代子「ベルサイユのばら」(マーガレット)。水島新司「ドカベン」(少年チャンピオン)。池田悦子作・牧美也子画「緋紋の女」(女性セブン)。

6月
楳図かずお「漂流教室」(少年サンデー)。永井豪「デビルマン」(少年マガジン)。山上たつひこ「喜劇新思想大系」(マンガストーリー)。阿佐田哲也作・北野英明画「天和無宿シリーズ」(プレイコミック)。

7月
藤子不二雄「魔太郎がくる」(少年チャンピオン)。黒鉄ヒロシ「赤兵衛」(ビッグコミック)。

8月
須山計一『漫画博物志・日本編』刊。水島新司「野球狂の詩」(少年マガジン
。永島慎二「旅人くん」(コミックミステリー)。

9月
手塚治虫「ブッダ」(希望の友)。永井豪「マジンガーZ」(少年ジャンプ)。

10月
里中満智子「あした輝く」(少女フレンド)。吾妻ひでお「ふたりと五人」(少年チャンピオン)。

11月
松本零士「ガンフロンティア」(プレイコミック)。

12月
あすなひろし「とうちゃんのかわいいおヨメさん」(少年ジャンプ)。

*劇画の性描画が問題に。

【昭和47年】映画

3月4日
藤純子引退記念映画、東映「関東緋桜一家」(監督:マキノ雅弘、共演:鶴田浩二、高倉健)封切り。

3月22日
霧立のぼる(55)睡眠薬の飲みすぎで死去。宝塚から映画界入り。「人情紙風船」「関の弥太っぺ」「悲恋椿」などに出演。

3月26日
松竹「男はつらいよ」シリーズの“おいちゃん”役、森川信(60)消化管出血と肝硬変で死去。以後このシリーズは、松村達雄(2代目)、下條正巳(3代目)が“おいちゃん”をつとめる。

8月15日
ピエール・ブラッスール(66)死去。「天井桟敷の人々」など。

12月26日
飯田蝶子(75)肺ガンで死去。「一人息子」「長屋紳士録」など小津安二郎作品に数多く出演。

忍ぶ川 東宝
監督:熊井啓
主演:栗原小巻、加藤剛、井川比佐志

軍旗はためく下に 東宝
監督:深作欣二
主演:丹波哲郎、三谷昇

故郷 松竹
監督:山田洋次
主演:倍賞千恵子、井川比佐志、笠智衆

旅の重さ 松竹
監督:斎藤耕一
主演:岸恵子、萩原健一、南美江

男はつらいよ・柴又慕情 松竹
監督:山田洋次
主演:渥美清、吉永小百合、倍賞千恵子

海軍特別少年兵 東宝
監督:今井正
主演:地井武男、小川真由美

一条さゆり濡れた欲情 日活
監督:神代辰巳
主演:伊佐山ひろ子

サマー・ソルジャー 勅使河原プロ
監督:勅使河原宏
主演:李礼仙

白い指の戯れ 日活
監督:村川透
主演:荒木一郎、伊佐山ひろ子

女囚さそり・701号 東映
監督:伊藤俊也
主演:梶芽衣子

人斬り与太・狂犬三兄弟 東映
監督:深作欣二
主演:菅原文太

人生劇場 松竹
監督:加藤泰
主演:高橋英樹、渡哲也、竹脇無我

喜劇・女売り出します 松竹
監督:森崎東
主演:森繁久弥、市原悦子

八月はエロスの匂い 日活
監督:藤田敏八
主演:片桐夕子、川村真樹

夏の妹 ATG
監督:大島渚
主演:栗田ひろみ、石橋正次、リリィ

子連れ狼・三途の川の乳母車 東宝
監督:三隅研次
主演:若山富三郎、富川晶宏、大木実

天使の恍惚 ATG
監督:若松孝二

アジアはひとつ NDU+竹中労
監督:布川徹郎
記録映画。

ラスト・ショー 米
監督:P・ボグダノヴィッチ
主演:T・ボトムズ

フェリーニのローマ 伊
主演:ピーター・ゴンザレス

死刑台のメロディ 伊
監督:ジュリアーノ・モンタルド

時計じかけのオレンジ 米
監督:スタンリー・キューブリック
主演:マルコム・マクダウェル

わらの犬 米
監督:サム・ペキンパー
主演:D・ホフマン、スーザン・ジョージ

真夜中のパーティー 米
監督:W・フリードキン
主演:L・フレイ

ジュニア・ボナー 米
監督:S・ペキンパー
主演:S・マックィーン

キャバレー 米
監督:ボブ・フォッシー
主演:ライザ・ミネリ

フレンチ・コネクション 米
監督:フリードキン
主演:G・ハックマン

ゴッドファーザー 米
監督:F・コッポラ
主演:マーロン・ブランド、A・パチーノ、D・キートン

ダーティハリー 米
監督:ドン・シーゲル
主演:C・イーストウッド

脱出 米
監督:J・ブーアマン
主演:ジョン・ボイド、B・レイノルズ

さすらいのカウボーイ 米
監督・主演:ピーター・フォンダ

恋 英
監督:ジョセフ・ロージー
主演:ジュリー・クリスティ

フレンジー 米
監督:ヒッチコック

暗殺の森 伊
監督:B・ベルトルッチ
主演:J=L・トランティニャン

愛の狩人 米
監督:M・ニコルズ
主演:J・ニコルソン、C・バーゲン

デカメロン 伊
監督:パゾリーニ

好奇心 仏
監督:ルイ・マル
ラ・マンチャの男 米
主演:ピーター・オトゥール、S・ローレン

クリシーの静かな日々 米
監督:イエンス・イエーゲン・トールマン